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テルペンの生合成樹木細胞の組織培養

抽出成分は(目立たないかもしれないけど)樹木に とって重要な成分です。主な存在意義はその生理活性(木にとっては菌や動物を避けたり、あるいは特定の虫を引きつけたり・・・、人間にとっては工業原料や 医薬品としての利用もあり)にあり、それ故、抽出成分が樹木内でどのように合成されているか知ることは興味が持たれるところです。一番身近なテルペンは、 香料と天然ゴムでしょう。バラの香りや檜風呂の檜の匂いなどはテルペンの代表例です。匂いだけでもフィトンチッドなどと言われるように精神的なリラックス をもたらす作用も有りますが、抗菌性や虫を引きつける疑似フェロモンや場合によっては抗ガン剤など医薬品として使われる場合もあります。バラの香り程度で あれば本当にバラを栽培して抽出したり(精油とかアロマオイルとか呼ばれるものです)、あるいは化学合成も難しくないのですが、構造が複雑なものになると (例えば抗ガン剤で有名なタキソール)天然の樹木にも微量しか含まれず化学合成も難しいので供給が大変です。

そこで、ここでは、培養細胞をもちいたテルペン(および時々リグナン)の生合成の研究、特にヒノキチオール 生合成機構の解明を目的として合成経路の解明、それに関する酵素や遺伝子の特定を行っています。これで一通りの知見が得られればどんな難しい物質も試験管 の中で作ることができるようになります。なるはずです・・・。

それと、最近、「Talking tree」にはまっています。植物同士が揮発性の化学物質を使って情報をやり取りしている現象です。つまりある植物が昆虫などに攻撃されたら、危険を知らせる揮発物質を出して周りの植物に危険を知らせる・・・等と行ったことです。種を超えて助け合っているのか、情報を独占しようと工夫しているのかなど興味が尽きません。

まあ、新しい酵素を見つけたり、遺伝子が分かるだけでも結構楽しかったりするので、最終目標 のことは日頃忘れていたりしますが。



ちなみに、こんな細胞を使っています。