2016年4月の熊本地震に伴う

阿蘇山地における山地災害

 

Version 2   2017/March/7

 

九州大学 森林保全学研究室

 

Quisiera expresar mi gratitud más profunda al Sr. Andang Suryana Soma

 para ayudarme en los campos de Aso y su analisis de los imagenes satellite.

 

 


201641416日の熊本地震に伴う1791 galを超えるような地震動により対象地域の阿蘇山地周辺に山地災害が生じました。

この災害について砂防学会九州支部緊急調査(地すべり学会九州支部は同行調査)の調査に参加した他、研究室独自でも数回の現地調査を行いました。

ここでは、当研究室が現時点で把握している内容を紹介します。

ただし、この報告は研究室の速報であり、砂防学会、地すべり学会の公式な報告ではありませんので、

学会の見解とは異なる内容も伴っています。この点に留意ください。

学会の正式な調査結果は学会誌などに掲載される公式の報告・見解をご覧ください。


 1)AsoBridgeLandslide012)AsoBLandScarp23)AsoBLandslide&House4)AsoBLandMid

1)熊本県南阿蘇村の阿蘇大橋を破壊した大規模崩壊全景(溶岩や凝灰角礫岩等の崩壊、崩壊量約55m3長さ約800m、幅は上部で170m、堆積部で300m程度

、崩壊深20m以上、平均勾配約25度、等価摩擦係数は0.3〜0.4程度)と、

2)「滑落崖」(滑落崖中央上部の緯度経度はGPS計測によると32.88752N130.98093E程度)、  

3)阿蘇大橋を破壊した大規模崩壊の対岸からの眺めと地震で被災した家屋、4)同崩壊中腹から下方を見た様子

AsoLSlopeCrack03 AsoLSlopeCrack01

崩壊周辺斜面にできた地震動によるものと思われる「亀裂」(数え切れないほど発生:最大幅1.6m程度、深さ1.5m程度、長さは7m以上)

 

CIMG2028崩壊s.jpg CIMG2036崩壊全景.jpg CIMG2059源頭部.jpg

地震による林道の崩壊例(南阿蘇村高森、盛土を中心とした表層崩壊)

 

AsoSlopeCrcks04 AsoSlopeCrcks01 AsoSlopeCrcks02

南阿蘇村の周辺山地森林斜面(ヒノキ林)にできた地震動によるものと思われる「亀裂」(数え切れないほど発生)

 

1)AsoDebrisF02 2)AsoDebrisF01 3)新所川2堆砂域H28年7月s.jpg 4)CIMG1911ss.jpg

1)地震直後の降雨(421日に24.5mm/hr113mm程度の降雨)によるものと考えられる周辺森林斜面からの土砂流出と、2)林道の破壊(514日時点)、

3)6月の梅雨時期南阿蘇村阿蘇山では総雨量約1053mmmの土石流による土砂と流木の流出と、4)その際に流出土砂を抑止した砂防堰堤

 

AsoHouseDamage01 AsoHouseDamage02

南阿蘇村の断層近くで地震により被災した家屋

AsoLandslideKyodai03 高野台CIMG1803s.jpg AsoLandslideKyodai02

南阿蘇村高野台の京大火山研究所周辺の崩壊・地すべり(流動化して下流家屋が被災、平均崩壊勾配約7度と緩い、

すべり面は軽石層と見られる。崩壊幅約150m,最大崩壊深約10m,土量15m3程度と見られる。)

AsoLandslide2&damage AsoLandslideKyodai04

南阿蘇村高野台の京大火山研究所周辺の崩壊・地すべり下流被災家屋(遠景には阿蘇大橋を破壊した大規模崩壊)

と被災した研究所の給水施設(右)。

1)P1120009崩壊s.jpg 2)P1120034Scarp.jpg 3) 南阿蘇火口丘周辺地震崩壊分布.png

1)、2)南阿蘇村の阿蘇ゴルフコース周辺の崩壊と、3)火口丘周辺崩壊分布(地震力が集中し易い峰部凸斜面に多い)

 

AsoGolfS.bmp  TakanoDaiS.bmp 阿蘇ゴルフ場崩壊降雨無.PNG  阿蘇高野台崩壊FEM.PNG 

崩壊斜面の安定解析例(LEMFEM: 最大加速度入力で安全率Fs<<1.0、地震無しや過去の強雨のケースではFs1.0

 


◆ 当研究室では、砂防学会九州支部、地すべり学会九州支部の調査の一環として、現地調査を行いましたが、独自に数回現地調査と測量・土質試験などを行っています。学会の調査結果の詳細はそれぞれの学会から出される報告書をご覧ください。

 また、地震後、山地災害に対する当地の警戒基準雨量は、地震動による地盤の撹乱のために低下しているものと思われます。2016620日の68.5mm/hr172.5mm/dayの大雨などにより地震崩壊周辺の斜面が新たに多数崩壊しています。これまでの雨量データ解析では、2012年阿蘇豪雨災害と比較して60%〜80%の雨量で発生している模様です。

このことは、従来の研究(http://ffpsc.agr.kyushu-u.ac.jp/control/StRainAftSeis.htm)と整合していますが、今後のデータ蓄積と解析が必要です。


 

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http://ffpsc.agr.kyushu-u.ac.jp/control/