地震後の大雨による土砂災害の発生し易さ

 

九州大学 森林保全学究室

Ver. April 24, 2016

 

地震で緩んだ山やがけ(斜面)からの土砂の崩落(崩壊)や土石流は、強い地震の場合、

地震前の雨量より2割〜4割少ない雨量(地震前の60%〜80%の雨量)で発生するようになる。

1995年の阪神淡路大震災、1997年鹿児島北西部地震、2000年鳥取県西部地震、

2005年福岡西方沖地震などでの当研究室の研究・解析による)。

 

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写真は、台湾における地震後の降雨による崩壊

 

斜面周辺や渓流の出口など山間地にお住まいの方は、注意して、早めの避難に努めてください。

理由:地震で振動を受けたため地盤が動き、斜面の強度が落ちる他、

山腹やがけに地震によりできた亀裂に降雨が浸透し易くなる。(下の図1)

 

志賀島亀裂FEMEnglish

図1 亀裂が生じた場合の斜面安全率の低下(福岡の例)

 

 

阿蘇地方の場合

当研究室の阿蘇カルデラ壁サンプル斜面を用いた研究によれば、阿蘇地方などでは、

1500gal程度の強い地震の加速度下では火山灰層の強度が減少し、

斜面安全率Fs(斜面の安定度)が約12〜13%小さくなるになることから、

地震後の雨では発生しやすくなると考えられる。

(下記の2014年砂防学会研究発表)

 

斜面安定解析の結果(2014年砂防学会発表)

*    上記の土質試験結果の最大強度減少率を用いると、表層崩壊(クロボク土:阿蘇表層崩壊)では、

崩壊前元斜面に対するFsが約12〜13%減少(1.100.961.010.841.14→約1.00)となる。

*    また、片岩風化土では土質強度が増す場合もあるが、減少する場合では、Fsが4%減少(1.00.96)する。

Fs1.0以下になってしまう場合は、地震動そのもので崩壊しなくても、

その後の土質強度低下で崩壊が生じることになる。

 

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図2 阿蘇カルデラ斜面において仮想地震動を与えた後の斜面安定解析例

 

 

地震後大雨時の斜面崩壊からの避難距離について

 

下記のように「見通し角」が斜面の頂上付近から11度以下になる場所に避難してください。

 


¡ How far we have to run for our lives from imminent slope failures !

Advice for the people who are suffering from earthquake in a mountainous district!

Traveling Distance of slope failures (or landslides) induced by earthquakes or heavy rains

 

1. Run out to the area where you can see the estimated top of the failure

under 17˚ (vertical angle) ! (Fig. 1)

The estimated top, in many cases, corresponds to the top of the hill.

 

2. If you have heavy rainfall after the earthquake, you should run away out to the area

in which you can see the estimated top of the failure (or top of the mountain) under 11˚.(Fig. 1)

TravelDist

Fig.1  Explanation of the evacuation

image002These advice are based on our reliable field studies(Photos & Figure 2),

and based on our analysis of the maximum landslide volume occurred in the 2008 Sichuan province earthquake in China,

with satellite radar-scan images by JAXA's observation. image002

(image002 The estimated maximum landslide volume: Vmax = 8×107 m3)

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image002Examples of our study fields image002

Fig.2 Back ground data of the advice

 

 

九州大学 森林保全学研究室