気象条件を用いた梅雨時期の土砂災害発生予測

−山陰地方及び中国地方・近畿地方西部を対象として−

(鹿児島地方など九州地方については開発中です。)

BAIU Season LANDSLIDE DISASTER PREDICTION

九州大学 農学研究院 森林保全学研究室 久保田哲也 (1/November/2004)

 

■はじめに

これは梅雨前線にともなう、中国地方など地域ブロックや都道府県レベルなど広域を対象とした土砂災害・山地災害(崩壊、地すべり、土石流災害)予測ソフトです。

個別の斜面や個別の渓流の災害予測はできません。

土砂災害の誘因としての降雨量など気象要因は現在の観測状況では、せいぜい数kmオーダーの空間分解能(精度)しかありません.海上のデータが得られない事や、観測経費の面から将来も数100mの精度には達しないものと思われます.

一方、個別斜面や渓流災害予測に必要な斜面勾配、土質強度、地下水条件などの素因は数mから数100mオーダーの精度が必要とされますので、気象要因とは精度(分解能)が合いません。そこで、とりあえず気象条件のみを用いて広域の予測を行います.インプットとしての気象要因とアウトプットとしての土砂災害の発生は種々の素因・メカニズム(あるいはクレオド)を介して複雑系として関連しています。詳しくは、ホームページの現在の研究テーマの項目ニューラルネットワーク(NNW)などを用いた土砂災害警戒気象条件」を参照ください。

ただし、下の「梅雨前線」を「秋雨前線」に、「メソ低気圧」を「低気圧または台風(熱帯低気圧含む)」と読み替えると、秋雨前線停滞時の災害予測にも使える場合がありますが、当面は、梅雨時期のみ対象とします。秋雨前線については、今後の研究にご期待ください。

■使い方

1)下の9つのテキストボックスに次の項目の数値を入れてください。

@米子と福岡の高層気象観測所の700hpa、850hpa各高度の風速(m/s)風速はインターネット上などの高層天気図の「矢羽(国際式;旗印1個50KTで約25m/s、長矢羽1本10KTで約5m/s、短矢羽は5KTで約2.5m/s)」から読めます。

ただし、風向が北寄り東寄りのものは風速0.0とします。

A米子と福岡の700hpa、850hpa各高度の湿数T-Td:高層天気図中で、矢羽の付いた雲量円の左下の数値。

B梅雨前線・メソ低気圧スコア(停滞・接近スコア):地上天気図などから「中国地方に梅雨前線が停滞」していて、かつ、前線上の低気圧が韓国の済州島と能登半島の間の日本海あるいは中国地方に位置する、または予想天気図などで位置すると予想される(24時間先の予測をする場合)=0.9、「低気圧が済州島と能登半島の間の日本海または中国地方に位置する0.5その他0.1

 

2)"PREDICT"と書かれたボタンを押して下さい。予測結果が下のテキストボックスに示されます。

 

予測結果:「土砂災害発生可能性が高い」、「可能性が低い」などの言葉で示され、しばらくすると背景色の変化と同時に写真も(「災害写真」などへ)変わります。

 

予測は一日後〜半日後にのみ有効です(これ以上長期の予測には信頼性が有りません)。

注意これは研究・試行段階のものですので、実際の予報には使用しないでください。また、実行するにはJava1.1以上に対応しているブラウザーが必要です。




必要な高層の風速と湿数(T-Td)、低気圧・前線の位置は、気象関連のウェブ・サイト(例えば、国際気象海洋(株)http://www.imoc.co.jp/ など)より入手・判断して下さい。既往の研究で用いている対流不安定性はここでは使っていません。使ったデータの範囲では、的中率93.8%、スレットスコア80%、見逃し率0%、空振率8.33%となっています。

予測結果には、「梅雨前線・メソ低気圧スコア"FmLs"」の影響がやや強く出ますので、実際の気象データを使用しない仮想条件による試行の場合にはこの点に留意下さい。

的中率のチェックは山陰地方を中心に中国地方周辺における全県規模の土砂災害のみを対象として行われており、それ以外の小さな災害や他の地域での的中率は保証できません。


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