Monologue

2言目:「高校」と「大学」

前回の続きです。
前回、九大硬式野球部には甲子園経験者から高校野球未経験者まで
幅広い経歴の選手が在籍するという話をしました。
面白いことに、高校野球未経験者でもリーグ戦で勝利投手になったり、
主力として活躍する選手が現れる一方、
いわゆる強豪高校出身者であっても残念ながら大学では思うような活躍が出来ない選手も現れます。
その原因はケースバイケースなので一概には言えませんが、
「高校」と「大学」の違いが関係している場合もあります。

高校生及び受験生の皆さんは今必死に受験勉強を頑張っておられると思いますが、
高校までの勉強は言ってしまえば「受動的」な勉強です。
つまり、「既に正解が存在する問題」について授業で先生から教えてもらう
受身的な学習スタイルがメインです。

一方、大学に入ると、
最初は講義スタイルの学習がメインですが、
研究室やゼミに配属されたり卒業研究に着手するにつれて、
どんどん「正解のない問題」と向き合うことになります。
たとえ指導教員であっても正解を教えることができない、そんな未知の問題に対し
自分なりの答えを出していく必要があります。
従って、高校時代よりも更に「主体的」「能動的」に学ぶスタイルへと転換することが必要になります。

野球部だけでなく一般の学生にも言えることですが、
たとえ「受動的」受験勉強が優秀でも、この転換がうまくいかず
大学でつまづいてしまう学生が少なからず出てしまいます。

野球に話を戻します。
野球に関しても、高校までは監督やコーチの指示に従う
「受動的」なスタイルがメインだったかもしれません。
確かに大学野球でも一定程度はそうですが、
自己管理に委ねられる比率がかなり上がります。

よく考えてみると、
野球という世界はフォームに関しても戦術に関しても
セオリーこそあれ、明確な正解は存在しない世界です。
上述の考えにあてはめるならば、より「大学」的な世界といえるのではないでしょうか。

つまり、選手には

『正解のない「野球」という世界で、自分自身を実験台とした研究活動を主体的に行う力』

が必要になるといえます。

それは自己管理の比率が上がる大学以上のレベルの野球、
いわゆる「大人の集団での野球」になればなるほど、より顕著になるのではないでしょうか。

ですから、
たとえ高校野球未経験者でも、「主体的」スタイルにうまく転換できた選手は
入学時からは想像できないレベルへ成長することもある一方、
「受動的」スタイルから抜け出せない選手は
結果として周りが期待したほどの成長ができず、
俗に言う「大学で伸び悩んだ」ということになってしまうこともあるのではないかと思います。

特に九大生は、受験勉強のスタイルがある程度高いレベルにあり、
かつそれで受験を突破したという成功体験があるがゆえに、
なおさらスタイル転換が難しいのかもしれません。

大学野球で活躍したいと考えている人は
安易に正解を得ようとしたり、誰かが教えてくれるのを待つのではなく、
「主体的に学ぶ」スタイルを今のうちから身に付けておいたほうが良いのかもしれません。

 

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