Monologue

3言目:「努力する才能」

今年もドラフトが終わり、多くの選手がプロ野球選手の入り口に立ちましたが、
指名された選手の所属チームの監督がインタビュー等で
『彼には「努力する才能」があった』と話している場面を見かけることがあります。

「努力する才能」という言葉は結構耳当たりの良い言葉であるためか
特に体格等にあまり恵まれていない選手がこの言葉を聞いて
「そんなもの、俺だって努力している。それならワンチャン俺もいけるかも」
と思うことがあるかもしれません。
(どうでもいいですが、最近の学生はよく「ワンチャン」という言葉を使いますね)

ですが、練習を熱心にすればするほど、
この「努力する才能」がどれだけ希有なものかを痛感するのではないでしょうか。

ひとつの例を挙げてみましょう。
競技は違いますが、50歳を超えてもJリーガーとして活躍されている
三浦知良選手は皆さんご存知だと思います。

以前、三浦選手が何かの番組で特集されていた時、
自分の半分以下の年齢の後輩達に混じって練習されているなかで、
ダッシュであれば必ず他の選手よりも一歩分、1m先まで走る、
トレーニングであれば必ず他の選手よりも1回多く行う姿勢に衝撃を受けました。
この姿勢が50歳を超えても現役で活躍されている秘訣なのだと感じました。
(もちろん、徹底した自己管理など他の要因もあるのでしょうが)

「なんだ、そんなことか」と思うかもしれません。
しかし、口で言うのはとても簡単ですが、実践することは想像以上に難しいことです。
例えばランメニューの際、ゴール地点手前の2.3m付近から
つい走りを緩めてしまったという経験が全く無いと言い切れる方はいますか?
チームでトレーニングメニューをこなしている時、必ず他の人より1回多く行う、
と自信を持って言える方はどれほどいるでしょうか?

『小さなことを積み重ねることが、
とんでもないところに行くただひとつの道だと思う。』

という言葉は、イチロー選手のあまりに有名な言葉のひとつですが、
俗っぽい表現をしてしまえば、いわゆる「天才」と「凡人」を分ける違いは
本当に些細で、誰もが考えるようなありきたりな行動でも、それを継続できるかどうか、
なのかもしれません。

何の本に書いてあったかは忘れましたが、
『100人の人が思いついたとしても、行動するのはそのうちたった1人
100人の人が行動したとしても、行動し続けられるのはそのうちたった1人
つまり10,000人のうち1人しか「やり続ける」人はいない』
という表現が印象に残っています。

自分の方法を見つけ、それをやり続けるだけなのですが、
それができること自体も実は「才能」なのかもしれません。

今それができている人は今後も自信を持って継続してもらえたらと思いますが、
もし仮に、自分はそれができない、「努力の才能」がないのかもと思ってしまった人は
どうすればいいのでしょうか。

次回に続きます。

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