Monologue

18言目:人に優しくされたとき

自分の小ささを知った、、、というフレーズが浮かんだ方は確実に私と同世代です。

さて、タイトルに関連して今回は少し昔話をしてみます。

私は思いやりの無い人間だと自負していますが、現役当時はより顕著で、自分が試合に出られさえすれば良いと考えている人間でした。

とある秋季リーグ戦の九国大戦で私は先発させてもらいました。終盤まで何とか1失点で粘り、初めて完投した試合となりましたが、最終回にダメ押し点を献上し、負けてしまいました。

試合が終わりミーティングが始まる前、私は「無失点で抑えられず情けない」ということばかり考えていました。その時、同じ投手だった同級生がこんな声を掛けてくれました。

「惜しかったけどナイスピッチング!」

「全然良かったよ!」

私は気付きました。

もし逆の立場だったら、私は好投した同級生にそんな言葉をかけることは絶対になかったはずだ。

心の中で悶々と「自分が投げていれば」「自分だったら負けなかったのに」と思っただけだろう。

と。

人に優しくされ、自分の小ささを知りました。

残念ながら今でも思いやりの無い点は改善されてはいませんが、間違いなく、この試合が人生におけるターニングポイントになりました。これ以降、チームにおける自分の役割を真剣に考えるようになった気がします。そして今、自分のことしか考えていなかった人間がこうしてコーチをやらせていただいているのは何か不思議な感覚です。

ただ、逆説的かもしれませんが、まだ現役選手の立場である皆さん(特に下級生)には、

試合に出るために他人を蹴落とすくらいの強い気持ちを持って欲しい(本当に蹴落としてはいけませんが)。

そして、一度掴んだチャンスは絶対離さない、手に入れたポジションは絶対手放さない、というギラギラした思いを持っていて欲しい。

と思っているのも事実です。チャンスを掴む前はそれで良いと思います。

ですが、チャンスを掴んだあとからでもいいので、ほんの少しでいいので、チームメイトや周りの人達に対する思いやりも持っていてくれることを願います。

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