Monologue

34言目:自責なき失点は投手の恥

今回はマインドちっくな話です。

失点の割に自責点が少ない投手がいたら、皆さんはどう思いますか?「まぁ粘って頑張ってるんじゃない?」と思うでしょうか?

私の考え方は少し違います。

私は「自責なき失点は投手の恥」だと考えています。

どういうことでしょう?

例えば、私がリーグ戦で現役最後に先発したマウンドでは、5回を投げて被安打1、失点1、自責点0でした。

数字だけですが、この結果を見てどう思いますか?

「ぼちぼち頑張ったんじゃない?」と思ってくれた方、どうもありがとう(笑)

しかしながら、私は今でも、この結果を情けなく感じています。

この試合、初回の先頭打者が、内野のエラーで出塁しました。そのあと得点圏に進塁されましたが、なんとか2死までこぎつけました。そして迎えた4番打者に、ライト前にポテンと落とされ失点してしまいました。被安打1とは言っても、一番打たれてはいけないところで打たれた1安打です。そして、この1点が決勝点になり、チームは負けました。もしこの試合を勝てていれば、九大は十数年ぶりにリーグ戦5勝目を挙げることができたのに、です。

この事実に目を背け、「自分は自責点0だし、まぁ頑張ったか」という気持ちには、まるでなれません。

チームがエラーした時こそ、絶対に無失点に抑えなければならない。

投げている以上、失点の責任は全て投手が負う。

自責のつかない失点は、チームのエラーをカバーできなかった投手の恥である。

私はそう思っています。

ただし、もしエラーで出塁したランナーが更なるエラーで生還したり、2死3塁で内野ゴロをエラーされて失点したら、恐らく私も怒ると思います。(笑)

ですがそういう場合でも、例えば、四球で守りのリズムが崩れた、投球の間が悪い、など投手側でも改善すべき点があるはずです。

私も最後の試合では(最後の試合でも?)四球を出しまくったので、野手はかなり守りにくかっただろうと反省しています。

普段の生活でここまで責任を背負いすぎるのは、メンタル的に危険な思考なのでやめたほうがいいですが、マウンド上では、このくらい極端な思考でも問題ないでしょう。

 

少し脱線しますが、10年ほど前のことなのでうろ覚えの話です。

TV番組の企画で「一般人を集めてトレーニングさせて150キロ出す」のような企画がありました。

そのなかの1人がMAX147キロを計測したため、プロのある球団が本格的な獲得調査に乗り出す話にまで進展し、テストとしてシート打撃で登板する、ということになりました。

そしてテストが始まり、確か野手のミスが絡んで失点したのですが、なんとかイニングを終えてマウンドから降りる際、その投手はこんなひとことを口にしました。

「今のって自責になりませんよね?」

このひとことを聞いて、私はこいつはプロにはなれないだろうなぁと思いました。

結局、球団はこの投手を獲得しませんでした。

球団側が主催したテストとはいえ、わざわざ自分1人のために集まり、守ってくれた野手です。彼らに対するリスペクトの気持ちが少しでもあったならば、自責どうのこうのといった発言には至らなかったはずです。

少しでもマインドが違っていたら、登板の結果は仮に同じであっても、もしかしたら球団の評価は違ったかもしれません。

「そんな七面倒なことを考えずに、他人のせいにできるところは潔く他人のせいにして、開き直って投げんかい」

という考え方もあると思います。

それで結果が出るならば、それでもいいと思います。

ですが、百歩譲って、駆け出しの若手投手ならそれでいいかもしれませんが、仮にエースと呼ばれる投手がそのようなマインドであったら、私は少し悲しいです。

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